中国に海外赴任したらありえないほど貧乏になった話

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中国に海外赴任したら貧乏になった

中国に駐在員として赴任して5年が経ちました。あなたは海外赴任者と聞くとどう思うでしょうか?物価が安い国で給料が上がり裕福な生活をしていると思う人が多いでしょう。しかし私の場合は全くの逆で給料が驚くほど下がり生活も困難になりました。長くなりますがそんな私の体験談を読んで頂けたらと思います。

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日本にいた頃

まずは中国に来る前の日本にいた頃の会社について書きたいと思います。

私の勤める会社は製造業で従業員が40名ほどの小さな会社です。組織としては社長の下に一人の部長がおり、その下に製造部門として3つの部署があります。私はその一つの部署の責任者でした。

そしてこの会社ですがいわゆるブラック企業で、最近ニュースなどで話題になるような100時間の残業なんてものではなく、軽く200時間を超える残業が当たり前のような会社です。

しかし残業代はきちんと支払われるので基本給は安いですが残業代を合わせると普通に生活できるほどの給料にはなりました。金額を書いてしまいますが約40万円です。多い時には55万円になるときもありました。

社長の性格はというとワンマン経営を絵にしたような社長です。会社内の全てを自分が把握してないと気が済まない性格で、それだけなら会社の管理をきちんとしているように聞こえますが、管理をするのではなく知らないのが嫌だというような人なんです。

朝突然の体調不良で休みたい時は会社や所属部署の責任者に連絡を入れるのではなく、社長の携帯に連絡をしなければなりません。連絡を入れると必ず言われるのが「体調管理をきちんとしないからだ」という言葉です。月に200時間以上の残業をしていれば体調が悪くなるのは当たり前なのですがそんなことは考えないような人なんですね。

そしてこの社長、先のことをよく考えないで行動する人です。その時の思い付きで何かをするのですが、先のことを考えないで新しいことをするのでよく失敗します。

そんなブラックな会社ですから人の出入りは多く、1年も経てば知らない人だらけになってしまいます。中には10年以上働いている人も1/4くらいはいて、私もその一人です。そんな人達は残業はきついけどそれなりに給料はもらえるからと言う理由でこの会社に居続けています。逆にいえば残業がなければ給料が安すぎるので生活できなくなってしまいます

会社が中国に工場を設立

私の勤める会社が2012年に中国に工場を設立しました。実は私の会社は大企業の一次下請け会社で海外にも工場が必要になったんです。そんなことで中国に工場を設立するのですが、中国というのは海外(中国から見て)の企業が単独で会社をつくることはできません。海外の技術を盗むために中国の企業との合弁会社にしなければならないのです。そんなわけで私の会社も中国の企業との合弁会社を作りました。後になってこの中国側の企業ともめることになります。

私は社長が「中国に工場をつくる」と言った時にすぐにわかりました。「私が派遣される」と。というのも会社内ですべての部署の作業を把握しているのは私だけだったからです。会社内で何かトラブルがあった時に各部署へまわって指示を出していたのは私でしたし、各部署のスケジュールをまとめていたのも私でした。他の従業員からは「○○さん(私)がいなくなったら会社が潰れる」なんてことも言われていました。

そして予想通り私が指名されて中国へ行くことになってしまったのです。

中国の会社が操業開始

中国の工場は出来立てホヤホヤでしたので何もありませんでした。何もないというのは製造業なのに工具の一つもない状況です。でもまあ出来立てですから買い揃えればいいだけです。しかし上でも書いたように社長は何も考えずに行動をする人ですからこのような状態にもかかわらず仕事を入れてきました。通常なら準備期間というものがありますよね。私の会社でいえば、設備をそろえて、その設備が通常通りに機能するのか、材料を仕入れてその材料がまともなものなのかを検証するとかです。

社長の頭の中では日本と同じように業者を呼んで注文すればすぐに準備が整うと思っているのでしょうがここは中国です。そんな簡単な話ではありませんでした。

まず初日に工具や簡単な設備をそろえるために工具屋さんが集まる地域に行きいろいろ買い物をしました。そしてその足で材料屋が集まる地域に行き材料を買いました。この材料ですが見た目は普通なのですが質はかなり悪い物でした。後で日本からクレームが来てしまいました。しかしこれで中国という国がどういう国なのかがよくわかったのでいい経験だと思いましたね。

給料が激減した

私の給料についてですが、合弁会社ということで日本の本社から50%、中国の企業から50%を支払われることになっています。日本にいた時は約40万円でしたから、最低でも同じ額かそれ以上になると思っていました。しかし中国に来てはじめての給与明細をみて驚きました。その額は20万円、手取りにすると15万円・・・、現在は住民税が引かれてないので約18万円です。

というのも海外赴任にもかかわらず、海外赴任に対する手当なんてものは一つもありませんし、残業もほとんどなくなってしまったので基本給だけをもらっている状況です。日本の役所に国外への転出届を出しましたが、住民税は昨年までの収入で計算されるのでしっかり引かれています。

ここで私の待遇を紹介します。

一時帰国費用は個人負担で会社は負担してくれません。海外赴任となるとハードシップ手当とか海外赴任用の手当てがあると思いますが私の会社ではそのような手当はありません。アパートの家賃は1000元を支給してくれますが、私の住んでいる地域のアパートは安くても1500元くらいです。そのようなアパートはかなり治安が悪いです。

給料が低すぎると社長に言うと「足りないというのか」と言われてしまいましたが、15万円の給料は明らかに少ないのはわかったようで「考えとく」と言われました。しかし現在でも給料の額は変わっていません。

そして給料の計算方法にも問題があります。基本給20万円を日本と中国の会社で半分ずつ支給されます。日本の会社からは10万円から保険料などを引いた額が日本の私の銀行口座に振り込まれ、もう半分を中国の会社が支払日の為替で計算して支払われます。

為替は変動しますからその月によって受け取る金額が変わってしまうのです。私が中国に来た頃の為替は「100円→8元」でした。それが昨年で最も低かった月では「100円→5元」となりました。私の中国で受け取る給料10万円で計算すると8000元から5000元に変わったということになります。給料が約38%も下がったというわけです。私は中国で生活しているわけですから中国の人民元で物を買います。日本円では同じだと言われたとしても納得できません。それに中国は急激な物価の上昇で5000元ではとても生活できません。

「日本の銀行にも給料が振り込まれてるんでしょ」と考える人もいるかもしれません。しかし日本の口座に振り込まれるのは約70000円です。そこから生命保険料や個人年金、その他諸々を引くとほとんど残りません。

現在までに月に一度ほど社長に対して給料をどうにかしてほしいというメールを送信しましたが返事があるのは半年に一度くらいです。それ以外のメールは全てスルーされてしまっています。

日本側と中国側の企業の関係が悪くなった

現在日本の社長と中国の社長の関係が悪くなっています。これは3年くらい前のことなのですが、日本の会社からある仕事が来ました。仕事内容はここでは書きませんが、その仕事を日本の会社が300万円で請け負ったとします。中国の合弁会社は50%ずつの出資ですから利益も50%になるはずです。しかし日本の社長は300万円の半分、つまり150万円を中国の会社に振り込んだだけだったようです。

何が問題なのかというと中国側の企業はその仕事にかかる材料費、人件費、外注費、電気代などを支払うと赤字になってしまうのです。日本の会社は仕事を受けただけで何もしていません。それからというもの中国側の社長は日本の社長と連絡を取らなくなってしまいました。

それ以外でも中国側の社長がお金に関してかなり汚く、工場にある大型機械の購入費を支払わなかったりしていたようですが、私から見ればどっちもどっちという感じですね。

中国側から給料が支払われなくなった

日本の会社と中国の会社の関係が悪くなりしばらくして私が中国で受け取る給料が支払われなくなりました。中国の社長に「支払ってください」と言うと、「日本の社長が支払うべきだ」と言われ、日本の社長に言うと「中国側が支払うことになっている」と言われます。

正直言って私はどちらの企業が支払うとかはどうでもいいことです。きちんと毎月支払ってもらえればいいんです(かなり少ないですが)。中国で設立した合弁会社は日本の社長が法定代表人になっています。つまりこの会社のトップは日本の社長なわけです。ですから私は中国の社長に給料の話をすることをやめました。会社の全ての責任は最終的に日本の社長が受け持つことになっているわけですからまた毎月のように日本の社長に給料が支払われてないことを報告しています。しかし返事があることはほとんどありません。半年に一度くらい連絡があり「明日日本の口座に30万円を振り込む」とかいう連絡があるだけです。

中国で給料を受け取れないと私は生活ができません。日本のクレジットカードでキャッシングをして限度額に達した頃に日本の口座に振り込まれたお金をクレジット会社に入金するということを繰り返しています。

しかし上でも書いたように私の給料はかなり低いです。とてもまともに生活できる額ではありません。本当にお金がない時はご飯に塩を振って食べている時もあります。なぜ会社の命令で中国へ来てこんな目にあわなければならないのかと悩んだ時期もあります。というか今でも悩んでいます。

なぜ日本に帰らないのか

ここまで読んでくれたみなさんは「どうして日本に帰らないのか」という疑問があると思います。私が日本に帰らない理由の一つにお金の問題があります。私が中国に来る際、日本で生活していたアパートは引きはらっています。ですからまた日本で生活するには新しくアパートを契約しなければなりません。もちろんそんなお金はありません。アパートを引払う時に家具や家電などを処分する必要がありました。合計で30万円ほどかかったのですが会社は1円も出してくれませんでした。それに一時帰国費用も会社は負担してくれませんから日本に帰るお金もありません。事実4年間日本には帰ってません。

実家は?と思った人もいるかと思いますが私には実家というものがありません。父親がいるのですが狭いワンルームマンションで一人で生活しています。とても父親のお世話になるわけにはいきません。

それに会社から日本に戻れという辞令があったわけではありませんので、私個人の考えで日本に戻っても会社は受け入れてくれないでしょう。私も40代半ばになり再就職も難しい状況です。いつかは給料を支払ってもらえると信じてここに居続けるしかないのです。

まとめ

日本ではブラック企業で働いている人に対して「労働基準監督署に報告してください」とか「弁護士に相談を」とかいいますよね。しかし私の場合は中国にある企業に在職しています。ですから日本の法律の範囲外なのです。

ネットでいろいろと検索しましたが法律に関しての海外派遣者に対する相談窓口は見つかりませんでした。どなたかご存知の方がいたらぜひ教えていただきたいと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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